So-net無料ブログ作成
検索選択

アプカルル(魔術的賢者)の重要性 [聖書研究]

以下は、「メソポタミアからの知的伝承」佐々木光俊著)の記述の要約。+私の考え。


「アダパ物語」の主人公アダパは、エア(エンキ)と深い関係を持ち、エア(エンキ)の息子と呼ばれることもある。

アダパ(adapa)という名前は、adapu(賢い、という形容詞)から派生していると考えられ、固有名詞でない可能性がある。

アダパ(adapa)は、アプカルル(apkallu=半神的賢者・魔術師)の筆頭であり、オアンネス(=Uan)と同一視できる。

**********************************

魚のアプカルル(英文献ではFish-Apkallu)★ By WIKI
メソポタミア の伝説の生き物。発掘された彫像によると、頭から背中にかけて魚をかぶったような姿をしている(身体の前部が人間、後部が魚、という姿)。
神話 のなかでは、アプカルルは古の賢者であり、人々に知恵を授けたとされている。彫像は守護精霊として7体セットで用いられた。
アプカルルは、ヘレニズム 時代のバビロン神官ベロッソス が著した『バビロニア誌 』にオアンネス(Oannes)として現れる。オアンネスはペルシア湾 から上陸してきて、ごく短期間に人々に文明 を授けたといわれている。
**********************************

オアンネス(=Uan)は、「ビート・メ―セリ」という儀礼文書の中では、「天と地のプランを確立したアプカルル(apkallu)の筆頭として現れている。

エア(エンキ)神とマルドック神は、よく「神々の中のアプカルル」と表現される。

大洪水以前には、7名のアプカルルがいた。

① UーAnna天と地のプランを確立した

② UーAnne-dugga 「広い理解力を与えられた

③ Enmedugga 「良き運命が与えられた

④ Enmegalamma 「家で生まれた

⑤ Enmebulugga 草原で育った

⑥ An-Enlida 「エリドゥのエクソシスト除霊師)」

⑦ Utuabzu 「天に昇った

6番目のアプカルルである、An-Enlida 「エリドゥのエクソシスト除霊師)」に、アプカルルの本質的役割が顕れている。

即ち、アプカルルとは、除霊師・魔術師・呪術師としての賢者なのであった。 

アプカルル(apkallu=半神的賢者・魔術師)の筆頭であり、オアンネス(=Uan)と同一視できるアダパ(adapa)は、南風の翼をへし折るほどの呪力を持っていた。

この呪力は、エア(エンキ)神と共通する要素であり、南風の翼をへし折るとは、自然の秩序を破壊する程の創造的力を発揮することである。

だから、創造的力を代表するエア(エンキ)神と、自然の秩序力を代表するアヌ(エンリル)神は、対立する場合がある。

古代バビロニアでは、7名のアプカルルは、悪霊を除霊する力を持っていると信じられており、黄金の粉銀の粉を散布した粘土により、7体の魚型apkalluと、体の鳥型apkallu小像を造り、それを特定の場所に埋めたり、ベッドの脚に立てたりした。そうすることで、害悪を及ぼす悪霊を排除できると考えられたのである。

アッシリア王の周辺には、王個人や領土に生じる様々な変異を監視して、それに対処する専門的集団(魔術・呪術的賢者)がいた。バールー(肝臓占い師)・カルー(慰撫神官・歌手)・アーシプ(エクソシスト除霊師)・アスー(薬剤師)である。

これらの4つの専門的集団のうち、カルー(慰撫神官・おそらく去勢歌手?)・アーシプ(エクソシスト除霊師)・アスー(薬剤師)は、アプカルル(apkallu)の系統に連なる魔術・呪術的賢者と考えることができる。

アーシプ(エクソシスト除霊師)については、「エクソシスト便覧」と呼ばれる新アッシリア時代の文書が参考になる。この「エクソシスト便覧」には、アーシプ(エクソシスト除霊師)の仕事について、100近い文書目録が記載されている。

この「エクソシスト便覧」の中のSA・GIGAというタイトルの文書は、次のような内容を持つ。

病気の患者の元へ向かうアーシプが、途中で出会う動物により、その患者が快方に向かうか、反対に悪化するのかを占うことが出来る。たとえば、白い豚・黒い豚・白い牡牛・黒い牡牛などにより、患者の未来を予想する。

この様に、アプカルル(apkallu)の系統に連なる魔術・呪術的賢者であるアーシプの仕事は、呪術的な不合理なものであった。

ところで、1962年にLambertにより公表されたテキストには、古代メソポタミアの神話文学作品と、その著作者が、対応して書かれている。

その著作者は、ある文書の場合は、知恵の神エアに帰され、ある文書の場合は、アダパに帰されている。

そして、「エタナ物語」と「ギルガメシュ叙事詩」の著作者は、アプカルル(apkallu)に帰されている。と同時に、その著作者であるアプカルル(apkallu)は、「エクソシストmash-mash)」とされている。

以上の事柄から類推すれば、他のメソポタミアの神話文学作品(たとえばエヌマ・エリシュなど)も、・アーシプ(エクソシスト除霊師呪術師)的、アプカルル的文学作品として、理解されるべきであろう。

つまり、古代メソポタミアの神話文学作品は、まず第一に、エクソシスト的呪術魔術的意義目的)を持っていたのである。

 

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。